ACCAの徹底解説

ACCA英国勅許公認会計士の科目ー全科目解説致します!

こんにちは!

ACCAの試験が全部で13科目ある旨をご説明しました。

最後のStrategic Professionalレベルでは、選択科目なので、実際は15科目あるのですが、

合格しなければいけない科目は13科目です。

今回は、13科目の内容を解説していきたいと思います。

はじめにー 分かりやすい13科目早見表

下記は、London School of Business & Finananceのウェブサイトから引用した表ですが、

レベル毎に分かりやすく纏まっているかと思います。

Applied Knowledge(基礎知識)、Applied Skills(スキルレベル)、Strategic Professional(戦略的専門のレベル)3つに分かれています。

レベル内では、科目の受験の順番は、任意で決める事ができます。

引用元:https://www.lsbf.org.uk/media/5546451/acca-syllabus-2023.pdf

次に、それぞれの科目の内容をみていきましょう。

Applied Knowledge(基礎知識)

このレベルでは、会計とビジネスに関する基礎的な知識を習得します。

3つの科目から構成されており、次のような内容が含まれます:

  • Business and Technology (BT)(ビジネスとIT環境):組織の環境やビジネスの構造に関する基礎的な知識。
  • Management Accounting (MA)(管理会計):予算策定やコスト管理、意思決定支援など、管理会計の基本的な概念と手法。
  • Financial Accounting (FA)(財務会計):財務諸表の作成や解釈、財務報告の基本的な原則と手法。
勉強方法

この科目は、基礎レベルとなっており、全て選択式のコンピューターベースでの試験です。

勉強も取り組み易いかと思いますので、教科書+問題集での勉強で十分でしょう。

教科書を1巡読む。それから問題に取り組む。

問題を解いて分からない部分に戻って再度、教科書を読み込む。この繰り返しで問題ないかと思います。

勉強期間は1カ月~1.5カ月程

Applied Skills(スキルレベル)

このレベルでは、基礎知識レベルを更に強化する形で、会計と財務管理の実践的なスキルを習得します。

6つの科目から構成されており、次のような内容が含まれます:

  • Corporate and Business Law (LW)(企業法と商法):企業法や契約法など、法的な規制とビジネスにおける法的な問題に関する知識。
  • Performance Management (PM)(業績管理):予算管理やパフォーマンス評価、戦略的意思決定に関する管理会計の応用。
  • Taxation (TX)(税務):法人税や所得税、消費税など、国内外の税制に関する知識。
  • Financial Reporting (FR) (財務報告):IFRS(国際財務報告基準)に基づく財務報告の作成と解釈。
  • Audit and Assurance (AA)(監査と保証):監査手続や内部統制、監査報告書の作成に関する知識。
  • Financial Management (FM)(財務管理):資金調達や資本予算、リスク管理など、財務戦略と管理に関する知識。
勉強方法

Corporate and Business Law (LW)は、、基礎知識レベル同様、全て選択式のコンピューターベースでの試験です。

その他の科目は、コンピューターベースで、選択式+記述の組み合わせとなっております。

基礎科目と同じく、教科書+問題集で乗り切る事も可能ですが、電話帳の様な教科書を独学で進めるのはかなり時間がかかります。

かといって、日本で通える講座は現在ありませんので、オンラインコースを受講されると良いでしょう。

オンラインコースはどこのプロバイダーも凡そ、3部構成となっています。

  1. Tuition Course :テキストの内容を学習
  2. Revision Course:テキストの内容の復習と問題の解き方を解説
  3. Mock Exam:試験問題の練習を行う

私の経験では、2。Revision Courseがもっとも重要です。なぜなら、記述式においては、問題の解き方、記載の仕方が一番大事だからです。

問題の解答方法を抑えているかが、合格するかの明暗を分けます。記述式を、問題集の模範解答の様に、何千字にわたって記載するのは不可能です。

ACCAの試験は加点式ですので、シンプルかつ短い文章でポイントを記述する事が、合格への近道になります。

私はBPPの授業を取っていましたが、オンラインでも対面でもRevisionコースの内容は素晴らしかったです。

次に、重要なのはTuition Courseです。テキストの内容を効率良く、勉強する事ができるからです。

Mock Examは受講しなくて良いかと思います。ご自身で、問題集を進める、CBEの練習をする事で対応可能です。

迷ったら、Revision Courseはせめて受講されてください。

Strategic Professional(戦略的専門レベル)

戦略的専門レベルでは、2科目が必須科目、残りの2科目は4科目からの選択式となっています。

このレベルに行くまでには、得意な科目や、将来のキャリアの方向性がわかってくる頃かと思います。ご自身の、キャリアロードマップに合わせて、最後の2科目を選択する事が可能です。

では、全6科目の内容をみてみましょう。

  1. Strategic Business Reporting(戦略的事業報告 - SBR): Strategic Business Reporting科目では、高度な財務報告と企業パフォーマンスの評価に関する知識が習得されます。具体的な内容は以下の通りです:
    • 国際財務報告基準(IFRS)の適用:IFRSを理解し、複雑な財務報告の作成と解釈に関するスキルを開発します。
    • 企業の財務パフォーマンス評価:企業の財務パフォーマンスを評価するための分析手法や指標について学びます。
    • ビジネス報告の戦略的側面:財務報告の戦略的な側面や企業価値の創造に関する考え方を習得します。
  2. Strategic Business Leader(戦略的事業リーダー - SBL): Strategic Business Leader科目では、戦略的なビジネスリーダーシップと倫理に関するスキルが開発されます。以下の内容がカバーされます:
    • 戦略的なビジネスパフォーマンスの評価:組織のビジョンと目標を達成するための戦略の策定や評価について学びます。
    • リーダーシップとチームマネジメント:リーダーシップスタイル、チームビルディング、コミュニケーションスキルなど、組織の成功に必要なリーダーシップスキルを開発します。
    • 倫理とプロフェッショナルスキル:倫理的な意思決定とプロフェッショナルスキルの重要性について学びます。

Options科目(選択科目)では、受験者が自身の興味やキャリア目標に合わせて選択できる科目が提供されます。以下の4つの選択科目について説明します:

  1. Advanced Financial Management(上級財務管理 - AFM): Advanced Financial Management科目では、複雑な財務管理と投資の問題について学びます。具体的な内容は以下の通りです:
    • 資本予算と投資評価:資本予算決定と投資プロジェクトの評価に関する技術や手法を学びます。
    • 国際財務管理:国際的な財務管理の課題に対処するためのスキルを習得します。
    • 企業の資本構造と資本市場:企業の資本構造や資本市場における重要な問題について学びます。
  2. Advanced Audit and Assurance(上級監査と保証 - AAA): Advanced Audit and Assurance科目では、高度な監査と保証に関する知識とスキルを習得します。以下の内容がカバーされます:
    • 複雑な監査業務:企業の監査プロセスを実施するための高度な手法やツールについて学びます。
    • 監査と企業のガバナンス:企業のガバナンスと監査の関連性について学びます。
    • 監査と保証の専門的な問題:専門的な監査と保証の問題に対処するための知識と洞察を開発します。
  3. Advanced Taxation(上級税務 - ATX): Advanced Taxation科目では、国際的な税務問題や法的要件に関する高度な知識が習得されます。以下の内容がカバーされます:
    • 国際税務問題:国際的な税制や国際ビジネスにおける税務の問題について学びます。
    • 企業の税務計画:企業の税務計画とリスク管理のスキルを開発します。
    • 個人と資産の税務:個人と資産に関連する税務問題について学びます。
  4. Advanced Performance Management(上級パフォーマンス管理 - APM): Advanced Performance Management科目では、戦略的なパフォーマンス管理に関する知識とスキルを習得します。以下の内容がカバーされます:
    • 戦略的なパフォーマンス計測と管理:組織のパフォーマンスを評価し、改善するための戦略的な手法を学びます。
    • 組織の管理制御システム:組織の管理制御システムを設計し、実装するためのスキルを開発します。
    • 現代的なパフォーマンス管理の問題:現代のビジネス環境でのパフォーマンス管理に関連する問題やトピックについて学びます。

私は、Advanced Audit and Assurance(上級監査と保証 - AAA)とAdvanced Taxation(上級税務 - ATX)を選択しました。

理由は、日々の業務で監査対応と税務が重要な役割の一つである事、また、単純に自分がイギリスに住んでいて、イギリスでの個人の税制に興味があったからでです。もし、ご自身のポジションが、管理会計であればAdvanced Performance Management(上級パフォーマンス管理 - APM)を選択したり、現在のポジションは違うが将来、財務でキャリアを積みたい場合は、Advanced Financial Management(上級財務管理 - AFM)を選択する事もできると思います。

フレキシブルな科目選択で、勉強した事が無駄にならないのも、ACCAの良いところだと思います。

勉強方法は、Applied Skillレベルと同様に、オンラインコース等を利用すると良いかと思います。

 

まとめ

これらの、全科目の説明は、ACCAウェブサイトにもありますので、ご確認下さい。

https://www.accaglobal.com/gb/en/student/getting-started/acca-qualification-structure.html

13科目となると、科目数が多く感じられるかもしれませんが、実は、基礎知識レベル、スキルレベル、戦略的専門レベルまでに細分されている科目があります。

また、法律や税務の科目は、イギリス以外の国の試験を選択する事も可能です。

その辺りについては、また他の記事で詳細を書きたいと思います。

最後まで、読んで頂き有難うございます!

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